60代おひとりさま、つれづれなるままに

漢字で書けないことばおっぱい、おしっこ、うんち、そして、ごみ


昨年、娘から尋ねられた。
孫からの質問で、漢字で書けない名詞はあるかということ。外来語やオノマトペ(擬音語・擬態語)は含まない。
もちろん、6歳の彼がこんなにきちんと説明できたはずはないが、娘を介するとそういうことらしい。


即座に思いついたのは、「ままごと」と「ブランコ」。
ままごとは「まねごと」の変化したものと言われる。
ブランコは外来語のようだが、江戸時代には「ぶらここ」と言っており、たぶん揺れる感じからの命名だろう。


しかしブランコは「鞦韆(しゅうせん)」という漢字を当て、俳句の春の季語にもなっていることを思い出した。
ままごとは、ご飯を「まま・まんま」ということから「飯事」と書くことがわかった。


うーん、なかなか難しい。
オケラ、バッタが頭に浮かんだが、それぞれ「螻蛄」「飛蝗」という字が当てられるようだ。漢語は膨大だから、厳密に同じものでなくても、ほとんど漢字を当てることができるよなぁ!


娘とやりとりしているうちに「おっぱい」が浮かんだ!
娘が「おしっこもじゃない?」、私が「そう、うんちもね!」ということで、身近な言葉が見つかった。
おしっこはシー、うんちはウーンというオノマトペ由来の幼児語かもしれないけれど、とりあえず。


ところが、最近面白い記事を目にした。朝日新聞土曜版別刷りの「街のB級言葉図鑑」というコラムだ(2021/3/13)。


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幼児語でもオノマトペでもなく、当て字はあるものの「違和感」があるという言葉。確かに「ごみ」と塵芥は違う。


飯間さんは「三省堂国語辞典(三国)」の編者の一人。編集の苦労や裏話を書いた『辞書を編む』(光文社新書)という著書がある。


言うまでもなく、三浦しをんの小説『舟を編む』もじった題名だが、『辞書を編む』のほうがずっと面白かった。


普段使っていても、改めて尋ねられると難しい。やはり言葉は深い。