60代おひとりさま、つれづれなるままに

スクラップ&ビルドー旧原宿駅舎のことなど


古い建物が好きだ。
古民家を改装しておしゃれなカフェなんかにしているところも、いいなと思う。
だが、私が強く惹かれるのは近代の洋風建築だ。


昨年、3月初め東京に行った。
予約したひと月前、コロナの感染者は出ていたが、まだみんなのんびり構えていた時期だ。
出発直前の2月末、安倍首相が「公立学校の一斉休校」を要請してからムードが変わった。


こんな時期に行くの?
もう少しコロナが落ち着いてからにしたら?
何人もの人に言われたが、キャンセルは面倒だったし、東京在住の息子夫婦に久しぶりに会いたかった。
行きたい展覧会(結局、上京したとき多くの施設はバタバタ閉館した)もあった。


そして、旧原宿駅舎。
3月下旬で閉鎖になり、夏に解体と聞いてぜひ最後に見ておきたいと思った。



この駅舎から出て、向かい側から写真を撮った。
新駅舎も完成している。
耐震性、大きさ、いろいろ問題はあるのだろうが、なんとか保存できないのかなぁ。



折しも、私の住む博多駅前のランドマークと言われる建物も、解体の予定になっていた。
プリツカー賞を受賞した磯崎新氏の設計である。
1971年完成だから歴史あるというものではないが、レンガ色の建物は目を引く。
私が、大学に入学した1975年、なんとモダンな建物かと感動した。
博多駅が建て替えられ、駅周辺はずいぶん変わったが、駅を出てすぐ目に入るこの建物は古びもせず存在感を放っている。


裏側から。
磯崎氏の設計だということや、インドから土を運んでレンガを焼いた?というこだわりは、解体が決まってからのニュースで知った。


塀で囲まれてから、1年余。
塀が取り去られ、見ると更地になっていた。あぁ、悲しい(T_T)/~~~

築50年を経て、耐震性の問題があるのだろう。
行員の人によると、奥行きがなく使いにくいらしい。
時代が変わって設備も増えている。


だが、日本の技術をもってして何とかならないのだろうか。
築100年を超える洋風建築はいくらでもあるのに。



建築物のことを考えたのは、最近こんな本を図書館で借りて読んだからだ。

同潤会アパートも素敵な建物だった。
見たのは、代官山と青山アパート。
独特の表情の建物に蔦が絡まり、見ているだけでうきうきした。


青山アパートが表参道ヒルズになり、それはそれでモダンなのだけどやはり違う。
多くの人が織りなしてきた歴史と物語が感じられる建物が、私は好きだ。


コロナがこんなに長引くとは思っていなかった。
去年、原宿駅を見られてよかった。