60代おひとりさま、つれづれなるままに

龍は強いか、やさしいか?


先日の九州国立博物館の展示の一つに、横山大観の、龍をモチーフにした絵があった。
龍が好きな娘のために、絵葉書を1枚求めた。


「龍蚊躍四溟(りゅうこうしめいにおどる)」(S11) *画像お借りしました

モノクロだが、暗い雲の中で雷鳴をとどろかせている姿は迫力がある。
しばしば龍は雷神に例えられる。
中国では皇帝のシンボルだ。


空想上の動物だけど十二支の一つに辰があるのは、面白い。
芥川龍之介の名前が、辰年、辰の日、辰のときに生まれたことに依っているのは有名だ。
龍彦さん、龍馬さん、知り合いにも辰年生まれに因む名前の人がいる。


年下の友人が、2,012年辰年生まれの男の子に「龍」という字をつけるか悩んだ末、やめたという話を聞いた。強すぎるのだそうだ。
確かに、身を躍らせ雷鳴をとどろかせ、皇帝でもある龍には強いイメージが付きまとう。


一方で、龍は母性の象徴でもある。
松谷みよ子の『龍の子太郎(たつのこたろう)』は、民話に題材を取った話だ。
母親はイワナを余分食べた罰で龍の姿に変えられる。太郎は、魔物の子と馬鹿にされる。
だが、龍になった母親は、母乳の代わりに自分の目玉をくりぬいてしゃぶらせる。
成長した太郎と再会し、貧しい村を拓こうとする太郎を支える。

画像お借りしました

古典文学の中にも龍が母性をもつという例は多く見いだせる。
また、龍は水の神でもある。
雷や雨との関係もあるだろうが、命をはぐくむ水の神であり母なのだ。
多様な役割を担った龍が、私は好きだ。


さて、私のお気に入り。10年以上前、蚤の市で見つけた銅製?手あぶり。
お寺で使われていた、明治の初め頃のものらしい。
中に灰や木炭が入っていたが、火を付けるのはためらわれた。

よく見ると、下の真ん中に龍がいる。
上の方は、小菊の模様?
縁起がよさそうで気に入っている。


今は鉢カバーとして使っている。


元気のいいアイビーを買ってきて、以前のにつぎ足して、

うん?
アイビーまでが龍のうねりに見えてきたよ!