60代おひとりさま、つれづれなるままに

アンチ・ミニマリズム


新年度。気分転換に、初めての美容室で髪をベリーショートにした。


机回りもすっきり。
ここは南向きの六畳の和室。もとは単なる書斎だった。ベッドがある壁際にも本棚が並び、寝室は別だった。


しかし、北側の寝室が無駄に広くて冬は寒い。
そこで、頻繁に使う辞書や本だけを残し、この部屋で寝ることにした。


もと寝室は、書庫兼物置になった。手前にはまだ本棚があり、寝室だったときからのチェストもある。
本は仕事に欠かせない。
仕立て屋さんに生地がなければ洋服が作れないのと同様、本がないと論文が書けないし、講義もできない。
ちなみに、小説類はここに引っ越してくるとき、ほとんど処分した。
新しく買うこともない。ベストセラーや雑誌は図書館で借りて読むことにしている。

商売道具の本は別として、物が少ないかと言われるとそうでもない。
食器やグラスが好きなので、お洒落に収納したくて食器棚とは別にグラスボードがある。
食器を減らしグラスもよく使うものだけを出しておけば、必要ないと言えばそれまでだが、


25年以上前、デパートの家具売り場で釘付けになるほど気に入ったもの。
絶対、手放したくない。
ビール1杯でも、日本酒ひと口でも、ここから愛用品を取り出して飲むときのときめきと言ったら~


その代わり、私はテレビを持っていない。興味がなく見る習慣がもともとなかった。
宝飾品や着物も全くない。学生結婚だったから、指輪すら持ってない。
服・靴・バッグ類も、同世代の女性の中では少ないほうだろう。
何の雑誌だったか、「靴は思いのほか持っているもので、冠婚葬祭用や夏のヘップサンダルまで入れると、最低20足はある」という記事を見て、自分のを数えてみたら15足だった。
家電や調理用具も最小限だ。
何かの役に立つかもと、紙袋や箱を溜め込む習慣もない。


好きなものに囲まれて暮らしたいだけだ。


ミニマリズムがブームになったことがあった(今も続いているのかな)。
ミニマリストと言ってもさまざまだが、極端な人は、マットを直に床に置いてソファ兼ベッドにし、パソコンで電子書籍や新聞を読んでいる。
家具も置かず、クローゼットに入るだけの洋服、キッチン吊戸棚に入るだけの食器で生活している。


私から見れば味気ないし、却って息苦しくないかなと思ったりする。


何より不思議なのが、自分の家には本がないのに『ミニマリズム』などどいう紙の書籍を出版していること。
これって、おかしくない?(*_*;


まっ、いいけど。

おやつ。
先日買ったグラスはもともとモロッコのミントティー用だけあって、エスプレッソを入れても大丈夫だった。
ナッツとドライジンジャーを入れた皿は、江戸後期の古伊万里。
数年前、奮発して蚤の市で5枚揃いを買った。
いただきまーす!